大きな土鍋に小さな柚子を。
色の組み合わせが楽しい土鍋は、サラダをざっくり盛ったり、 色彩ゆたかに海鮮寿司なんかもよいだろう。
作品が無事届いたとのご連絡をお客様からいただくたびに、 見落としていたきらめきのようなものを受け取る。
「今度この土鍋でお料理会しましょう!」とか、 「無事を確認したから再び包んでツリーの下に置きます」とか、
「すぐにご飯を入れてチンしてみます」などなど。涙が出そうになる。
今年も土鍋をはじめ器のオーダーをたくさんいただいた。
夏から長らくお待たせしてしまったオーダー土鍋の数々。
今年は秋にも個展が入ったので、先に進みながらも、後方に残るオーダー品の数々が気がかりで。
気がかりというと他人ごとのようだが、前進しながら後ろに進むことはできない。見ることはできても。
「振り返らない」「前を向こうよ」という激励句があるが、そうもいかない人生だってある。
後方にある「2回目の道」には、見落としたきらめきや、拾ってこられなかった宝物がある。
オーダー品の制作のなかでは、きらめき、宝物、いっぱいいただけた。 おまたせいただいているみなさま、
本当に温かくお見守りくださり、時に優しい言葉をかけてくださり、 本当にありがとうございました。
あと数回、窯から出てくる作品を待って、後半のオーダーは新年より窯を炊く予定です。
年内にどうしても成功しなかった「超オーダー品」がある。2度目のチャレンジでほんとうに惜しいところで満足できない仕上がりとなった。
何度でもチャレンジさせてくださるお客様。
ありがたく思うし、ぜったいに応えたい。
こうやって成長させてもらっている。
そんな感慨深い年末。
忙しくても慌ただしくても、
情緒を育ててくれるシゴトだなと感謝している。
ありがとうございます。