20年ほど前にフィレンツェの語学学校で出会った学友。
彼女の機敏な行動、よどみないイタリア語、美術史に精通している姿。お若いのに当時からすばらしいなぁと感心していた。その後、互いに学校を出て、音信不通であったけれど、20年ぶりに好機到来。
一時期帰国なさっている彼女。奥村千穂さん。⇒フィレンツェ田舎生活便り
料理人&木工職人であるご主人アントネッロさんのお料理教室に参加することができた。
2種のパスタ料理、2種のオーブン料理を、参加者たちと楽しくつくり、皆さんでしっかり一人前ずついただいた。「同じ釜の飯」をいただくと、なんだか話も弾む。
最後はお決まりのエスプレッソとアーモンド入りのカントゥッチ(ビスコッティ)。
12人杯用の大きなマキネッタ(直火にかけるエスプレッソポット)で淹れてくださったカフェの味は一瞬でイタリアに戻れる香りだった。
今回の私の参加を絶対にさせたのは、木工家具職人でもあるアントネッロさんのキッチン雑貨が実際に手に取れるということだった。器をつくる仕事するにあたり、器周辺の小物(カトラリーやクロスなど)には大変興味があり、お料理+木工キッチンツールのお土産つきなんて飛び上るほど嬉しかった。
アントネッロさんの工房 FANTALEGNAME(ファンタレニャーメ)のサイト
彼の制作ポリシーは、住んでいるフィレンツェの田舎にて、目の前に広がる景色の中にある素材を使うこと。広くてシンプルで使いやすそうな工房にはため息が出た。自分の狭小作業スペースを(もはや工房とは言えない狭さ)思わず嘆きそうになるが、「ココハ東京TOKYOトキオ…」とYMOのようにとなえる。
木の器(アカシア)
木の器と半磁土のプレートtamamiazuma
木材のセレクトから、ひとつひとつ手で彫り、削り、磨き、愛情がたっぷり入っている手工芸は愛おしい。おたまじゃくしのしっぽのような部分を手に握ったときのフィット感と丸みの深さがたまらない。アントネッロさんご自身が欲しくて考案した器だそうで、ご家族の生活の中で、優れた使い方がなされているからこそ美しい。
おつまみ・アクセサリー入れはもちろんのこと、ソースを和えたパスタを「ひねくれ者のフォーク」クルクルと巻き取り、この器ですくい取る。もうふた巻きくらいクルクルとやりながら各自のお皿にパコッとパスタを置く。ソースが跳ねない!パスタが乱れ落ちない!着地が美しく感動!2枚目の写真のように、ワンプレート風にちょこんとパスタやサラダを入れても!
お料理教室のメニューを話すと、我が家の食欲旺盛な青年が「無性に食べたくなった!」というので、夜も同じメニュー(ラッキーなことに我が家に食材が揃っていた2品)をつくった。
お料理教室に参加した特権だと思うので、ここに詳細レシピはあえて掲載しませんがご了承くださいね。その代わりアントネッロさんのレシピ本チェック!
(左)spaghetti con zucchine, panna e zafferano
サフラン風味、生クリームとズッキーニのスパゲッティ 半磁土の器・白化粧 tamamiazuma.com
※木のボウルでクルクルと盛り付けた図!!
(右)melanzane ripiene alla brindisina
ブリンディシ風 ナスの詰め物 耐熱土の器:tamamiazuma.com