今年の桜は長かった。
定点観測している場所の桜は、寒くてさむくて思い切り咲きれないよとボヤキながら、つい先週までちらほら葉っぱと一緒に咲いていた。今週に入り突然、件の桜は壮大な演出に幕を閉じ、ハナミズキにバトンを渡し、周囲には夏緑を撒いて去って行った。わずか1週間くらいの早変わり。一日は高速なりと仄めかす。
さて、春を実感するのは花だけではなく野菜からも。春の土の香りがついた春野菜がうれしい季節。暑い夏を乗り切るための体力をつけるには、芽吹きたてのエネルギーに満ちた野菜と玄米をたっぷり摂ろう。
春キャベツ、新タマネギ、春ニンジン、春菊の茎、ひよこ豆をトマトスープでぐつぐつ煮込む。すべての具がピヨピヨなひよっこで恭しい春スープのできあがり。
以前、有賀薫さん(スープ作家)のスープ教室で「白菜と豆腐のスープ」(その1・その2参照)をつくったとき、出汁など一切入れず具材とごま油だけで旨味を出した。それ以来“あるヒント”を活かして出汁なしスープを楽しんでいる。
野菜を少量の油で炒めると、野菜がしんなりして汁が出る。ここでトライ!“少量の塩をふってみる”。具材に塩味がつくだけでなく、塩によって野菜出汁が誘発される。これで良いのか素人なのでわからないけれど、旨味が出ておいしいのは確かなので、まあいいか。
今回は洋風に仕上げるため、野菜と豆をオリーブオイルで炒め塩をふった。そこに水とトマト水煮を入れ、水分が半分くらいになるまで煮詰め、そこでもう一度味見をして塩で味つけするのだ。
キリッと春風を吹かせたかったら、ディル、セロリシード、オレガノなど爽快感あるハーブスパイスを最後にパパッと。
「地球のかけら」を意する工房Cocciorinoは
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