春うららかな日、ある作品を追い求めてアクアラインを渡った。 東京湾を縦横無尽に吹く風はつよく、まだ4月末日は肌寒いくらいだった。
開催は初訪問である市原湖畔美術館で開催中のカールステン・ニコライの作品。「PARALLAX/パララックス」(視差)という展覧会名の通り、彼の作品は、次元を超えたような印象を抱かせ「視る」「聴く」という行為を愉しむものだ。
強い太陽光を瞳に吸収したままで入る部屋。最初は暗黒だが、瞳が太陽を忘れるころ、徐々にその空間やスクリーンの大きさ、壁はミラーで反射していることに気づきはじめる。スクリーンに映るシンプルで宇宙的な光のインスタレーションからパターンや計算されつきした法則のようなものが見え始める。
ところで初訪問のこの美術館は、人造湖の湖畔に突如として建っている。アクアライン木更津を降りたら新しい道もできており、都心から近くはないもののゆっくりとしたドライブが楽しめる。美術館の空間も思っていたよりも大きく、鑑賞者もこの日は少なめで、いつぞや同作家の作品を都心で並んで観たことを想うと、なんとも贅沢な時間であった。
カールステン・ニコライ Parallax展
会期:2017年3月18日〜2017年5月14日
休館日:3/21(火), 3/27(月), 4/3(月)
主催:市原湖畔美術館(指定管理者:株式会社アートフロントギャラリー)
協力:Galerie EIGEN + ART Leipzig/Berlin
美術館HP ⇒★
カールステン・ニコライSHIFT日本語版⇒★
<おまけ>
最寄駅は100周年を迎えたコトコト走る小湊鉄道「高滝駅」だそうで、今回はクルマでの訪問であったが駅まで行ってみた。
詳細は美術館HP ⇒アクセスへ