イタリア語でサルビア、英語でセージ。わが家の庭でぐんぐん成長しているのは、友人がおみやげで小笠原諸島の父島からどんぶら運んできてくれたものだが、高温多湿に弱いので、東京の梅雨時は注意が必要だ。イタリアなどヨーロッパでは道端や原っぱにごっそり生えている。それだけ湿気がなくたっぷりおひさまが降り注ぐ地だという証拠だ。
学名Salvia officinalisには「薬効サルビア」という意味があるほどで、彼らが庭で放つ香りは、かなり強い薬効感を漂わしている。ホワイトセージではないが、ドライにして炊けば浄化効果も期待できるほど。
語源は、Salviaはラテン語のSalvere(治癒する)またはSalvus(健康)から派生した語。伊語でもsalvareは「救う」という意味。「セージが庭で育っているのにどうして人は死ぬのか」(Why should a man die whilst sage grows in his garden.)や「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」(He that would live for aye, must eat Sage in May.)ということわざがあるくらい。
前記事「ドクダミとなかよく暮らす①」のもドクダミ同様、お茶やチンキにもできるし、なによりスーッとした香りが料理に活きる。トスカーナで食べたサルビアのフリット、北伊で食べたサルビアバターのニョッキにはクラクラ~と魔法をかけられた思い出がある。
まずは先月からせっせと乾燥させてお茶にしている。洗面所には、ドクダミやサルビアを煮出したお茶を置いておけば、天然のうがいぐすり、口臭予防液にもなる。
さあ、このあとは、そろそろサルビア料理をつくって魔法にかけられてみようかな。