庭のすみっこに今や立派に咲くあじさいは、20代のころからお世話になったかたが旅立たれたとき、戒名に「紫陽花」の文字が入っていた彼女を偲ぶ花として買った鉢植え。もうかれこれ10年ほど前だろうか。その後、庭の配置プランもなしに、すみっこに地植えしたのがぐんぐん茂っているわけで。
梅雨入りのころ、薄い青紫の花が咲くと彼女を想い、あじさい色の日々を過ごす。梅雨の中休み、すみっこのあじさいを見ると、もう色あせた花の中に一本の凛としたあじさいを見つけた。いつもこの最後の一本を見逃さないように心がけ、最後の一本は花ばさみで切って自作の器に飾ることにしている。
今年の彼女は、誰よりも自信ありげに背筋を伸ばしたプリマドンナのようだった。
「我妻珠美・五十嵐貴子 陶芸家2人展」
2017.9.27-6.3
新宿高島屋10階
ギャラリー「暮らしの工芸」にて
おかげさまで1年中便利に使えると
ご好評いただいていますココットも
各色そろえて展示販売予定です。
よろしくお願いいたします。