「旅する土鍋プロジェクト」出発まで1週間を切ったが、まだ窯たきや制作に追われ工房にしがみついている。あともう一回窯を焚かなければならない。
暑く狭く汚い工房で疲労と睡魔にまみれ落ちる涙は、苦ではなく創造につながるのねと己を鼓舞する。すべてに感謝しながら。「旅する土鍋プロジェクト」への応援はさまざまな形でいただいている。プロジェクト資金調達は、みなさまが作品に注いでくださった大切なお代。新しいこと、より新鮮な仕事に向かえるのは、お客さま、友人、チャンスをくださるギャラリーという「ご縁」、そして黙って見守る家族のおかげだと心から想っている。少額、いやお金だけでなく、小さな経験を、こつこつためて創造のチカラにする。
30年作陶したってまだまだひよっこ、いやいや一生ひよこなんだろうと思う、ぴよぴよ。
出発にあたり「旅する土鍋」のために応援くださる作品を紹介しよう。ひとつめのご紹介は「旅する土鍋のためのふろしき」。
デザインはi-craft/Aya工房のAyaさん。彼女が「旅する土鍋」のためのふろしきをデザインして贈ってくれた。彼女には今月1歳になったばかりの愛らしいベビーがいる。最も大変な時期のなかで彼女が注いでくれたアイディアと費やした時間と、そして作品にも表れている「まごころ」が嬉しかった。涙がでたもの。
Ayaさんのふろしきコンセプトは「縁(えにし)」。
“ふろしきの絵柄にはちょっとしたストーリーをこめていますがタマさんのご想像にお任せします”と、感情をふるわせるニクイメモも同封されていた。飛行機に列車、スプーンにお箸、空想上のアニマルかな?それに、もうひとつのプロジェクト「たねさん」と「土鍋」。ネームも入っている!そして「ふろしきといったら唐草模様!」をもじるようにモダンなプランツ模様は、イタリアの自然と東京の庭の草木を想像させる。色だって、昔のふろしきによくあった深緑色。獅子舞をも想像させるようなあの色にはレトロ感もあって『にほんの炊事』を彷彿させる。
現在Ayaさんのi-craft/デザイン工房は「育児休暇中」で、ぼちぼち再開を試みていらっしゃるところ。今後はベビー関係のあれこれも登場するのでは?という新世界にも期待したいところ。18年前の自分を重ね、新しいことに向かっている彼女のエネルギーをかみしめ、大きな感謝を込めて。ふろしきに包んで「旅する土鍋」いってまいります。
※実はAyaさん「行くぜっ!解凍少女」の育児マンガでブレイク中のいぬはらアヤコさん!実に楽しいマンガなのでこちらもぜひ!
次回の「旅する土鍋のための〇〇」予告
Tシャツと帆布バッグが登場!
出発前に記事が書けるのか、はたまた到着後の投稿になるのか?
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