幸いながら2013年より毎年ひとりこつこつ活動を進めている「旅する土鍋プロジェクト2017」を終え、1ヶ月半弱のイタリア滞在から昨晩帰国した。いつも2ヶ月ちょっと滞在するので今回は大変短く感じたのと、今年は移動の旅が多かったので自己の力量(言語力や体力やほんの少しの知力)が試された試練の旅だった。
今年もありがとうございました。みなさんの協力があってこそ、試練が感動的で楽しい旅に変わったのが事実で。一歩一歩ていねいに歩いた。体力や瞬発力は確実に落ちているので、過信せず、今まで以上に慎重にていねいに動きミスを防ぐよう心がけたが、今なら語れるミスもいろいろと。幸いなことに盗難や大きな紛失は今まで何十年とないが、今回は老眼鏡を2つ、どうでもいいヘアピンを1つ落とした。それだけ。
その代わりに、ちいさなちいさな足あとをたくさん残した。
人生を2回くりかえすことや、自身が2人になること…。人は輪廻をくりかえすのだからきっと叶うだろうが、記憶は1回と1人。それならば今ふたつの道を、逸れながら戻りながら歩く。肉体も魂も離脱しては剥がれカラダは引きちぎれそうになるけれど、それが作品に刻印する「根っこ」の気持ちであり残すべき「足あと」だと思っている。
滞在中は、あいかわらずなかなかブログ更新ができなかった上、これらの旅を綴る第二弾「旅する土鍋小冊子」の制作はまったく進まずだった。各地に身を移動させるだけで精一杯だったし、写真や必要単語を確実に残そうと欲張らず暮らした。次なる小冊子の本格的なご紹介は12月を予定している。監修は、前回同様、坂元夏樹さんにお願いしており、彼は着々とロゴデザインやレイアウトなど考えてくださっている。
また9月末からは新宿高島屋で2人展を予定しており、サンプル程度に少しでも写真などお見せできたらいいなと考えている。展覧会の詳細はまた後日。
取り急ぎ帰国のご報告まで。