百貨店の展覧会後、18年ぶりに高熱を出し何もできない状態を数日過ごしていました。病院知らずの元気者のスケジュール計算がたちまち狂いました。
「ムリしすぎ」「がんばりすぎ」「飛ばしすぎ」
この言葉は真摯に耳に入れ受け止め、浴びる洗礼として受けてきましたが。「ものをつくる」「売る」「つづける」ということを仕事にすると、例の3つの洗礼なんか浴びては弾くくらいのオイリーなヤツにならないと。今回は、ちょっとかさついた。
モノは完成してもひとりでは動かない。こちらが飛ばさないとモノに加速なんてつかずすぐ止まってしまう。休もう!ゆっくりいこう!と言葉にするイタリア人をみていても、実は休んだぶん、ゆっくりしたぶん顔を赤らめて、つまりはムリをして最後がんばってターボをかけて飛ばす。なにを言われても弾かせる「オイリー」体質、とにかく「スタミナ」があるのです。自身もスタミナは誰よりもあると自負していましたが、明らかに今回はスタミナ切れだ。スタミナの借金をしてきたにちがいない。
12月に迫る個展の制作を、数の多さや、新しさの多さで見せるのはやめよう。数でなくひとつにすべてをつぎ込むくらいの真剣勝負。10日ほど制作日をロスして焦りに満ちていますが、イタリア人のようなスタミナで挽回する所存。百貨店でいただいたオーダーは回想などメランコリックなことを拭い取り迷いなくまっすぐぶれずにいこうと思います。
そしてもうひとつ。「土鍋と旅」の本。12月におひろめできると展覧会やここでも宣言したけれど、デザイナーのSさんにも今後相談してみよう。発行日を伸ばすとか、展覧会とは独立させて、ポップアップショップのようなお披露目会などもデザイナーさんと話しています。
関係者のみなさま、ご迷惑をおかけいたします。
そいうことで、まだ本調子ではないですが、今からイタリア人のごとく「ムリして」「がんばって」「飛ばす」この3つでターボエンジンを始動させようと思います。