『MJ's FES
みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展 SINCE1958』 川崎市民ミュージアム
最初にひとこと。
ああ、これは久しぶりに心底おもしろかった。
どんなに馬鹿げたことでも「トコトン」というものはひれ伏せて感服!天才である。このような感度のおもしろいは、本当はマジメな人しかできない。やっぱり天才。知力が後味に残るような。進まない制作をあきらめて観に行ってよかった。
紙媒体のガロもびっくりハウスも本当におもしろかった。同じブームでもあの頃はどこか違った。世の中の流れは、SNSの濁流と清流がいそがしく交わりながら。“ブームを巻き起こそう!”と、整然とガサツがぶつかってガチガチいっている毎日。前者のブームは、他人を巻き込まず「マイブーム」といいながら自分を信じることだったのかなと。“誰にも頼まれることない「ない」仕事をつづけ現在に至っている”と飄々と言えるみうら氏の、“天才スケッチブック”と名付けるじゅん氏の、とにかく「マイブーム」。収集と継続はチカラなり。それに加え“発表壁”というのは、作家の天然に湧き出る泉。泥にまみれコツコツと孤独に日々制作していますが、そのかわりたくさん笑えるモノや場所に会い、ナマの現場で意見して発表することは「マイ」を発見するのではないかな。
過日、もうひとりの天才、南方熊楠のコレクションと研究を観てきたばかりだが、ふと思う。みうらじゅん氏は現代の熊楠ではないかと。受験した大学3つとも同じでなつかしい受験票にもジ~ン。同美大の大先輩とにもかくにも還暦おめでとうございます。
展示は、第一会場・第二会場と膨大な数の作品&コレクションあり。時間に余裕を持って行かれるのがオススメ。それと企画展示室1/映像などもゆっくり座ってご覧あれ。あんなにゲラゲラ美術館で笑ったこと、かつてあったかしらと。