お客さまでもありすてきな交流をつむいでいただいている水野佐知子さん。彼女がご亭主をつとめられたお茶会で、ミニミニ土鍋よりさらに小さな特別サイズのチビ土鍋を香合にお見立ていただきました。昨年から香合のご相談にお応えしてつくった作品。お茶会のテーマは「旅」。ご亭主はCocciorinoの「旅する土鍋」を推してくださいました。
床の間にて、香合としてのチビ土鍋は、濱田庄司 巨匠の花入の横に、敬愛する篠田桃紅 画伯の作品「Journey」に見守られ。カラダの中の血液がかゆくなるようなシーンにて、わがチビ土鍋が堂々と佇む姿に感動。
香合に加えて、個展でお選びになった大きな丸平皿(半磁器)も菓子器としてお披露目くださいました。菓子器にのせるお干菓子はなんと、焼き菓子のスペシャリストでもある佐知子さんのメレンゲ。半磁土の平皿裏は、半磁土の魅力を残すべく無釉。触って感じていただきたい作品のひとつなので、お客さまの手に平皿がまわるとは光栄です。
「旅する土鍋」プロジェクトは形にとどまらない創造。時と空間を共にして『あなたの前に佇み想う=一期一会』という意味をもっています。茶の湯における千利休の言葉「一期一会」に重ねてくださったことに感謝し、あぁ陶芸道を歩みつづけてきてよかったなと涙が出そうになるほど恐悦至極であります。
この夏もまいります「旅する土鍋」!