アイルランドから友人がルバーブをお土産に抱えてきました。ゴツッとした美しい紅色のこのルバーブは、陶芸家コーンの庭でもらってきたものと知ったとたん、北西アイルランドの風がざわっと吹いた気がしました。ここは六本木の瀟洒なオーブンカフェだというのに。
ルバーブのジャムはアイリッシュのホームメイドにはかなわない。どう調理しましょうか。一日中工房でそんなことばかり考えながら、しばし思い出に浸りました。
アイルランドを横断する比較的あたらしい平らなハイウェイ。クルマの窓をあけてどの国とも違う香りを大型犬のようにくんくん嗅ぐ。夏の終わりのイタリアから訪ねたわたしの格好を「唐突千万だよ」と粗相を文学的に笑う風は寒く、聴けばそこはウィリアム・バトラー・イェイツの墓のそばだった。
陶芸家コーンの工房つきの家に到着すると、コーンはご婦人と早い夕食中だった。(つづく)
今回の恒例「なんちゃってレシピ」もナンチャッテに変わりはありませんが、かなりオリジナリティの高いスープに仕上がりました。繊維質だらけで歯ごたえのあるスープの中に、噛むとドロッと形を崩すようなルバーブ。梅干しのような感触と酸っぱさ、ドライトマトにも通じる味です。
90年代のアイルランド経済成長により労働のためにたくさんの民族が入り込み、ご多分に漏れず都市ダブリンには難民も多くみられました。ルバーブの酸味に合わせ、エスニックなスープに仕上げ、添えたココナッツの玄米おにぎりにはパクチーを。
1.ニンジン、セロリ、春タマネギ、ルバーブをさいの目に切る。
2.①のニンジン、セロリをボイルする。
2.セミドライトマトを千切りにして①に入れる。(※1)
3.ウコンの粉(ターメリック)やガラムマサラ、なければカレー粉など加え、塩こしょうで味を整える。(※2)
4.①のタマネギ、セロリの葉を入れて煮込み、最後に①のルバーブを入れて火を止める。(※3)
(※1)酸味がルバーブに合う!
(※2)酸っぱいルバーブにエスニック風味が合う!
(※3)ルバーブはセロリ同様に繊維質の多い野菜だが水溶性であるため加熱するとすぐにドロドロになる!土鍋の余熱で溶けるくらいがちょうどいいので、最後に入れる!
1.玄米ごはんを、オリーブオイル、ココナッツダイス、塩で和える。お好みでパクチーを乗せて。