ここ数日の東京は3月中旬だか下旬だかの気温で寒かったのですが、きょうは晴天が戻ってきました。地下工房はうすら寒くカラダが冷えるので、いつも食べる豆乳ヨーグルトで温かいスープをつくりました。つなぎ姿のまま工房から庭に出て、雑草だらけの庭に座って。ちなみに、テラコッタのかけらのテーブルはフィレンツェ修行時代につくったオブジェが割れたもの。
春だから気まぐれなのも許される。気まぐれな天気といえばアイルランド。中編も「陶芸家コーンのおはなし」を少しつづった後、最後に「豆乳ホットヨーグルトスープ」うつわ職人のなんちゃってレシピ添えますね。
(前編よりつづき)
陶芸家コーンご夫婦の夕食は質素だったが、ご婦人は「シチューですが召し上がる?」「それともアップルパイでもいかが?」と夕食に誘ってくださった。夫婦水入らずの夕食時に来訪したことを友人とともに侘び、お誘いは丁重におことわりした。庭を見せてもらいますと風の強い庭に出て植物などを見る。イタリアもそうだが、ここアイルランドも「食事中なので外で待ってて」などとシャットアウトせずオープンでカッコをつけない。どんなに質素でもふだんのままを見せたり、分け合おうとしてくれる。すてきなスタイルだ。
夕食が妙に早いのか、夕刻の空が明るすぎるのか「地球の広さ」がどのくらいなのかくらくらするような風の香りにつつまれていた。「もうひと雨くるかな」とコーンは食事を急いで済ませ庭に出てきてくれ、離れの工房を案内してくれた。
工房に入ったとたん、今度は「地球の狭さ」がどのくらいなのかわからなくなる。大学のなつかしい工房の香りも、東京の自身の工房も、ミラノの師匠の工房も、そしてコーンの工房も同じ香り。親近感ある同じような道具が同じような汚れ方で置いてある。コーンの大きな手とわたしの冷たい小さな手は強い握手をかわし、陶芸家であることでどの国でもなんだかわからない絆が生まれることを実感する。(つづく)
ヨーグルトの乳酸菌は40℃くらいで増殖しやすく、60℃前後で死滅するそうです。カラダの中は温かいので冷たいままでも効果ありだそうですが、最初から温かければ元気な乳酸菌が入るし、代謝も上がり免疫向上に期待あり。加えて水溶性の植物繊維ルバーブは40℃くらいの余熱で柔らかくなります。バナナも火を通すと甘味を増し、酸っぱさと甘さのバランスが絶妙です。(参照:菌トレ)
温めすぎないためにも、土鍋の余熱調理はとっても便利です。
1.豆乳ヨーグルトと豆乳を半量ずつ土鍋に入れ弱火にかける。
2.ルバーブ(薄切り)、バナナ(輪切り)、ブドウ(皮ごと)、ミカンの砂糖漬け、黒豆絞り(※1)、桑の実などを入れて温める。
3.甘さが少し欲しい場合は甘酒を入れる。
4.40℃(ひと肌より少し熱いくらい)で火を止め、土鍋の蓋をして余熱調理。
5.ミントの葉をうかべて召し上がれ。
★豆乳ヨーグルトでなく無糖ヨーグルトと牛乳でももちろん可!
★②で入れるトッピングはお好みでお手元にあるものを。
★※1は煮豆をオーブンで焼いてグラッセ状にしたもの。