北海道から飛行機で持ち帰ったアスパラガス。あまりにも立派で長いアスパラはせいろに入りきらず、泣く泣く半分に切って。アスパラも近ごろはもっぱらせいろで蒸す。プロのようにたっぷりの縦鍋で茹でればおいしいのだろうけれど、素人のわたしは蒸す方が失敗がないような気がする。土の味がまざった甘い水分がなんとも美味でこの調理法が好き。
実は3年前、北海道に展覧会のため滞在したときも春だった。
札幌の友だちにお世話になって、札幌から美瑛まで一気に運転してもらってASPERGES(アスペルジュ)さんにアスパラを食べに行ったことを思い出すのだが、1ヶ月くらい早かったので雪が積もっていたのにアスパラは土から顔を出していた。そんな景色とあの極上の甘さ、絶妙な歯ごたえは忘れたことがない。
そして、今年の出張と旅もまたアスパラの季節。追ってでmaccarina(マッカリーナ)さんに治めた器のことについても書くが、そこでも極上のアスパラ料理が出迎えてくれ、治めた器に盛り付けてくださったのも、アスパラをつかった逸品だった。
今回の出張では、ご一緒したかたのお供で、これまた極上のフレンチを出す人気のフレンチレストランMOLIERE(モリエール)さんにもご挨拶に行った。お忙しい時間にもみなさん歓迎してくださり、シェフ自らが温かい対応してくださり「ぜひお持ちください」と大振りな緑のアスパラをごそっと手渡しくださったときは、思わず涙が浮かんでしまったものね。いただきものに涙したのではなく、ああどうして北海道の人のやさしさは土と水の香りがするのだろうかと。
ミーティングの途中でうかがったので、幸運にも洞爺湖サミットで腕をふるわれた中道シェフの熱いお話もうかがえました。どのかたもこのかたも、職人でありアーティスト。ノックアウトされっぱなしでした。(⇒記事「モリエールオーナーシェフ中道博氏 inter cross Createve Center2011)
今回の旅は(器の仕事をしていると美味体験させていただくこと多い)これでもか!というグルメな旅で、あともう一軒フレンチレストランLe
Mansa(ル・マンサ)さんでもアスパラ三昧。
(左)ホワイトアスパラガスのムース/トリュフを入れたコンソメジュレ
(中央)スープ サンジェルマン/グリンピースのスープにインゲンやスナップエンドウの青豆とアスパラ添え
(右)グリーンアスパラのリゾット/春菊のソース・三つ葉や小口ネギ添え
※札幌小別沢 谷口農園の無農薬・無化学肥料のアスパラ
(中央)サクラマスのクリスティヤン トマトソースとブールブラン
※皮ごとパリッと焼いたサクラマスに春野菜とイカスミを編み状に焼いたもの
(右)甘夏のプリン