あいにく、いやかわいい雑草に占領されている我が家の庭。その隅っこに特段の手入れもないままにガクアジサイが毎年咲いてくれます。若かりし頃からお世話になった知人のお母さまが旅立たれたとき、知人の家と我が家に迎えたガクアジサイ。もう10年くらい経つかな。
ポットや急須に花をいけるのが好きです。注ぐノーズやハンドルの曲線が、挿した花に遊びを加えてくれます。バランス的にもドンと安定する感じもいい。テーブルのワンポイントにしてもおじゃま感が少ないです。もともとテーブルにいるアイテムだから。
学名Hydrangeaは、語源ギリシア語のHydor(水)とangeion(器)が起源。学名が「水のうつわ」だなんて、うつわづくりを生業としている者としては、愛でるべき花なのです。
シーボルトが「ガクアジサイ」をazisai、情に厚いシーボルトは科学者スタンスを逸脱し「玉アジサイ」を愛するお滝さんに捧げる花としてOtakusaと命名したのもほほえましい話。
庭のアジサイ、新鮮な青色もあれば、ちょっと白っぽくあせてゆく花もあり。これは人のような循環器系を持たない花の老化現象と聞くと、そちらも自分を重ねてみたりして、愛おしい…。