①みじんぎりセロリ、ニンジン、タマネギなど旨味が出る野菜をいためる。
②みじんぎりベーコンで脂質と塩気を加える。
③ホールトマトと水を加えローリエやオレガノをいれて煮る。
④野菜が煮えたらそばの実を加えてやららかくなるまで煮て、不足であれば塩味や好みのスパイスを。
⑤土鍋のふたをしめて10分放置すればスープを吸ってやわらかくなったそば粥が、蒸らし時間をなくせば、歯ごたえを楽しむそばの実入りスープとしておいしく食べられる。どちらも芳ばしさが広がり美味。
ロシア、ウクライナ料理についてはまったく知識がないが、今回は近所のスーパーでわりと安価に入手できるスラブ地方で食べられるロシアの蕎麦の実「グリェチカ」(ギリシアのという意味)を使ってみた。この地方で食べられる「カーシャ」というそばの実の甘いお粥もつくってみたいなぁ。
一方イタリアでは、そば粉のことを「グラーノ・サラチェーノ」(サラセンの穀物)という。アジア原産のそば粉は、セラセン帝国(イスラム)を通ってヨーロッパに到来したといわれており、たぶんフランス語も同じ意味だったと思うけれど。
イタリアでも、そばの実と押し麦のサラダとかおいしい食べ方がいっぱいある。古代小麦にならび、そば粉や雑穀が見直されている今、あらためてそば粉のパンやケーキなども友だちの間でよく話題にのぼる。ロンバルディア州の北ヴァルテッリーナ地方には、そば粉のパスタ「ピッツォッケリ」やそば粉の衣の揚げ物「シャット」などもあって、私は好き!
毎年「旅する土鍋」プロジェクトでは、日本食の一品としてそばをふるまうのだけれど。それ以来、そば好きになった!という嬉しいイタリア人が何人かいて、毎回楽しみにしてくれているみたい。
季節の野菜をてんぷらにして、土鍋に盛り付けてみんなでわいわい食べたり、ちょっと日本酒を味見してみたり。甘くてしょっぱい蕎麦汁がどうやらイタリア人の舌にも合うらしい。