わたしという魚は、人がやっていないことをいつも模索しながら毎日を泳いでいる。もしわたしが釣り人であれば、人と違った魚を釣ってわはは!と笑いたいので、その魚がおいしいか価値があるかなんてわからないけれど、そのために色のちがった魚になろうと思っている。
桜色のカラダ、アクアアマリンの眼に吸い込まれ、真鯛をまよわず料理した。
…さて、なにを食べようか。仕事や用事が終わり、とりあえずブールアンジュと沢村、それぞれでバゲットとカンパーニュを買い、メニューはスーパーで考えることにした。食材次第で料理を決める。わが家の徒歩10分圏内にはスーパーが4軒あってね、すごいでしょ。まずは魚が得意な店、つぎにハーブや輸入食品が得意な店、最後にアレが安い店という順番で買い物をして、とりあえず白葡萄酒をあけて下ごしらえをする。(※アレというのは都合によってどんな食材もあてはまる)
ファッションデザイナー、カメラマン、インダストリアルデザイナー、そして陶芸家(わたしだけ正式な横文字がない)と、デザイナーのたまごが時差ありで席についてごはんを食べる。制作に焦っている時期ではあるが、焦っていてもエンジンはからまわりするばかりで摩耗する。どうせうだうだしているのなら、こういう時間も必要だ。
楽しみ悩めるフリーランスたちは、それぞれ歩んできた道や年数もちがう。話もあちこちに飛ぶけれど、いつも「自分らしさ」を信じること貫くことであるという結論に至る。
①うろこ、内臓をとりよく洗いペーパーで水気とる(ここまで可能なお店もある)。
②身の内側と外側に塩をまぶす。
③内側にハーブ(ディル、パセリ、タイム、セージなど)とレモンの輪切りをはさみ、表面にも適当に散らし、オリーブオイルをまわしがけて250℃で15分焼く。
④プチトマトと黒オリーブを追加投入。魚から水分があまり出ていなかったら白葡萄酒少々。あと5~10分。完成。
日本でもは真鯛を、本場リグーリアでは黒鯛を焼いが、それぞれおいしくできあがった。
日本の真鯛は身が引きしまり甘く、国産の海塩が合う。リグーリア湾の黒鯛は身が柔らかく、さっぱりしており本場のレモンがよくしみた。コツは、惜しみなく上質なオリーブオイルをかけること。今回は毎年もちかえるヴィンチ村の友人が絞るオリーブオイルをかけたのも勝因のひとつ。
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