東京は段階的にすこしずつ涼しくなった。
庭の桑の木の葉は、わずかに茶色くなって、葉を落とす準備をはじめたようだ。「日本には四季がある」とは、こういうものかと改めて繊細に移ろう季節にしみじみしている晩、温かいおそばを食べることにした。
冒頭にも書いたとおり日本には四季があるので野菜の育ち方も豊かだ。涼しくなってきた頃の野菜は、アミノ酸を充分にたくわえて旨味全開でやってくると聞く。イタリアの真夏に存分においしいナスやトマトを食べてきたのは、土地によって栽培法が異なるため。イタリアのそれは初夏がもっとも美味だという場合や、真夏でも充分栄養価が高いと言われるものもある。
利尿作用があり、体内にこもった熱を排出する役目がある野菜が多い夏。夏に食すナスも、理にかなっているわけで。
さて、旨味の詰まる秋ナス。涼しくなったころに食べつづけると、カラダを冷やす。今夜のおそばは、ナスのあたたかいおつゆでいただこう。
1.鍋に出汁をとり(または既成の出汁)醤油と酒と甘酒(※)と塩少々でそばつゆを準備。
2.シシトウ、ナスの順に、オリーブオイルで焦げ目をつけるように焼く。
3.②を①に入れ、大根おろしをたっぷり入れ、七味をふってできあがり。
4.ざるそば、もしくは茹でたおそばに添えて。
我妻珠美 展-秋を炊く-
2018年 11月16日~11月24日 ⇒詳細
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F
Ecru+HM(エクリュ+エイチエム)
※かれこれ10年以上企画してくださっている老舗ギャラリー。