野草にならび野花を食べるのが好き。東京に住んでいるとなかなか難しいが、エディブルフラワー(食べられる花)もだいぶ店の棚に並ぶようになった昨今。古にさかのぼり、花を食べるといえば、紫蘇の小花や菊。お刺身の横に添えてある可憐な演出、ではなくて、効能ある演出。古代中国で薬として用いられていた菊には、殺菌・抗菌効果が期待できるということで、お刺身の横に置いてある。
さて、秋の菊といえば、等々力の玉川神社のたくさんの菊の前で撮った七五三の写真を思い出す。子どものころは、菊の香りが強すぎてくらくらきたものだ。亡き父が当時持っていたカメラは、スマートフォンと違って、限られたショットしか狙わなかっただろうに、たいがいの表情はしかめっつらだった。
菊のおひたしや、菊のてんぷらを食べながら想う。いつからであろうか、この香りがたまらなく美味であり、日本酒がすすむ!などと調子にのるようになったのは、いまカメラをむけてくれれば、きっとしかめっつらはしないだろうに。
「しめじと菊花のせいろ蒸し」
1.土鍋に水をはり沸騰させる。
2.せいろのフチにそってしめじを並べ、中央をあけておく。しめじを3~5分蒸して火を止める。
3.②の中央に食用菊をふわっと乗せてふたをして余熱で蒸らす。
※菊花の芯は苦いので花びらだけをむしり、しめじと一緒にポン酢とどうぞ。
ポテトサラダ(ハム入り)にも、菊花をパラパラする。パンにはさめば殺菌効果も期待できるだろうか?そんなことはさておき、うっとりする香りのポテトサラダに変身することは保証する。
個展まで一ヶ月をきり、制作も佳境に入り日々に追われながら。ポテトサラダのうつわ「ココット」は私物だが、さまざまな色が個展で登場予定。
INFORMATION
我妻珠美 陶展 -秋を炊く-
Tamami Azuma
Ceramic Art Exhibition
Ecru+HM(Ginza Tokyo)
2018年11月16日~24日
12:30-19:00
※21日休廊
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F