90年代の大半の日々を費やしたイタリアで食べた味の数々は、デジタル写真やSNSの言葉には残されていないけれど、そのぶん胃袋というハイパーロマンチックなスケッチブックにコラージュみたいにはりついているようです。
ミラノに住んでいた頃、クルマ好きな方たちが行ってみたい(伊プロダクトデザイナーであるジゥジアローがデザインした日本車名と店名が同じ)ということでお連れしたオステリア(※)で食べた「ゴルゴンゾーラと梨のリゾット」も忘れられない皿のひとつ。
息も白くなった晩秋だったかな。
運河もあのひと皿もエクリュ色に染っていました。寒くなると思い出す。すこし芯が残るくらいの米を味わっていると、もうひとつやさしく舌に残る甘い感触が。それが洋梨でした。米の甘さと梨の甘さにより、ゴルゴンゾーラの旨味が映えるのです。
※レストラン名「アッソ・ディ・フィオーリ」とは「クローバー♣️の1」という意味。1984年から家族経営をつづけているミラノ運河沿いの老舗。店名チーズのオステリアとあるようにチーズ料理が得意。
今回はゴルゴンゾーラと洋梨のソースを使ってパスタをつくりました。パスタを硬めに茹でておけば、食べる直前に温め直しすることもできます。
使用したコッチョリーノの「グラタン皿」は、日々の皿として、またはオーブンはもちろん直火にかけて調理することができるお皿です。ありがたくも毎回ご好評いただいている作品なので、次回の個展にもお持ちする予定です。
ゴルゴンゾーラと洋梨のパスタ
1. みじん切りしたタマネギ(量は少しだけ)を炒める。
2. 包丁で小さく砕いたゴルゴンゾーラチーズを加え、とけはじめたら生クリームを加える。
3. 粗みじん切りした洋梨を加え焦げないようにチーズにからめる。
4. 最後に茹でたパスタを加えて完成。
「我妻珠美 陶展」
12月14日〜21日
横浜元町 クロコアートファクトリー
※詳細は追っておしらせします