興味ふかい本「世界のサンドイッチ図鑑」を入手して以来、ことあるごとにページをめくって楽しんでいました。巻末には世界のパン説明、ソースやシーズニング説明など、タイトル通り「図鑑」。珍しいパンなどの話を見聞きすると、ページを開いて探したりしたものです。
同著者の新刊「世界のスープ図鑑」著 佐藤政人(誠文堂新光社)が出るというので、迷わず予約して届くのを楽しみに待っていました。そしてとうとう、11月のはじめ、この本が届きました。サンドイッチ図鑑以上に分厚いのです。
著者の佐藤政人氏はボストン近郊在住の編集者。両書とも、世界各地で出会われた料理を調べ、自らの手で調理したページの数々は圧巻。多国の言葉のみならず、文化を調べるのは難事業でありましょう。その分、読者としては何倍もの充足感、満足感がありました。巻末の「参考文献」や「参考サイト」のみっちりページにも感心。
電子ブックや動画、音声配信が増える時代のなかで。
「生活」に関する「言葉」においては、受動的なものより、能動的なオブジェクトを好みます。たまたま陶でモノをつくっているからうつわに慣れ親しんでいるだけで、他者に「うつわの絶対」は要求はしません。当人がその分野にいると「容易」に感じてしまうことを、他者に要求しないように気をつけています。
受動的でないコンセプト、インテリジェンスなお人柄、真摯なお仕事っぷりがあふれる本です。
ポルトガルが誇る深い緑の葉物、ソーセージ、ジャガイモのスープ(P56)
「コラードグリーン」という深緑色のキャベツにも近い葉っぱを使いますが、イタリアの「カーボロネーロ」や、日本でも手に入る「ケール」で代用できそうです。ちぢみホウレンソウなども良いかも。こうやってアレンジして世界の料理を楽しむのも良いと思います。
先日、近所のスーパーでお手頃な価格でケールを入手したので、さっそく土鍋でつくりました。
「コラードグリーン」は南アメリカではソウルフードとも呼ばれている野菜だそうで、そういう国によるソウルの違いを知るのにも、興味深い料理本なのです。