前回の「土鍋まるごとロールキャベツ」、試してくださったからご報告いただいてうれしい限りです。さて、魅力的に土鍋を育てるために、お手入れのことも書いておきますね。
火が強すぎた場合、土鍋の底に「焦げ」がつきます。そんなとき、どうしていますか?
よい香り、そしてこんがり色が出るのが180℃くらいです。さらに200℃を越えて食材の水分が飛んでしまうと、糖分、油、タンパク質が炭化して焦げてしまうのです。
酵素のはたらきによって、野菜やお米のでんぷんが糖分に分解されます。ゆっくり温度上昇する土鍋は酵素がはたらきやすい温度帯40〜50℃をじっくり時間をかけて通るわけです。
例えば、前回の「まるごとキャベツ」。
ぐつぐつ音がする前、キャベツが汗をかいたあたりが「おいしさの40℃」。あわてず、ふたをしめて静かに見守ってあげてください。ぐつぐつ音が聞こえる100℃を超えたら、中火から弱火に落としてじっくり煮る。ここからは土鍋の保温力で高温を保ちながら調理を進めます。よい香りが充満するころはすでに180℃前後です。200℃を超えると、先ほど書いたように「焦げる」わけですから要注意です。極弱火でもう少し煮詰めるか、火を止め、土鍋の余熱で調理を進めます。
1. あわてて、こそがないで
例えば、土鍋ごはんの焦げ。
ほかほかでかきたてたいけれど、あわててこそがず、少し待ちましょう。
冷めた状態になると、おこげごとペロリとはがれます。コッチョリーノの土鍋を使ってくださっている料理家の堀江ひろ子さんが教えてくださいました。
2. あわてて、水をはらないで
土鍋は急な温度変化が一番苦手です。冷めたら水を張って様子をみましょう。それでも取れないようだったら、「重曹」または「お酢」を使ってみましょう。どちらを使うか、目安は以下のとおり。ミックスなんかもやったことあります。今回の「まるごとキャベツ」は、重曹1回洗いできれいに汚れが落ちました。(土鍋の表面が濡れた状態で火にかけるのは危険なのでよく拭いて乾かしてから)
酸性食品(肉、魚、卵、砂糖、米など)→重曹
アルカリ性食品(野菜、果物、海藻、キノコ、大豆など)→お酢
重曹
焦げが見えなくなるくらいふり、水を静かに加えて5分ほど沸騰させましょう。そのあと数時間そのままにして、冷めたころ、スポンジと洗剤でこすり洗ってみてください。とってもしつこい焦げの場合は、それをもう一度くりかえし、一晩つけっぱなしにしてから洗浄してみて。
重曹から二酸化炭素が発生して、その泡で焦げを浮かしたり、アルカリ性炭酸ソーダ化して、油やタンパク質の汚れを落とすわけです。焦げが浮いてくる様子を下の動画でごらんください。
お酢
土鍋に水をはり、1/4カップくらいのお酢を入れて沸騰させて、冷めるまで放置。あとは重曹と同じでです。
土鍋の焦げつきを恐れずに、あわてないを楽しむ土鍋ライフを!
「はるの いのち」我妻珠美 陶展
2020年 2月8日(土)〜 16日(日)
11:00〜19:00
*月曜定休(11日祝日は営業)
CROCO ART FACTORY
横浜市中区元町 1-71 メゾン元町2F
045-664-4078