急に寒くなりましたね。
たちまちお豆腐の食べ方が、冷奴から湯豆腐になりました。
今日は、久しぶりの「陶芸職人のなんちゃってレシピ」を。
湯豆腐ですから、レシピというほどのものではありませんが、池波正太郎風といういわくつき。時代小説はいまいち苦手で、彼の小説も親しんできたとは言いがたいけれど、食の話だけは好きで、確か最初に読んだのは大学生のころでした。記憶の片隅に、いつも湯豆腐の描写があって、その中の大根が「おろし」だったか「削ぎ切り」だったか、はたまた「千切り」だったかよく覚えていないわけで。今回は「削ぎ切り」ですが、「おろし」もおいしいです。「剣客商売」か「食卓の情景」「食卓のつぶやき」か、どこに書いてあったろうか。ひっぱり出して読み直し、後日ご報告することにします。
とにかくお金がなかった学生時代、友人とアパートに集まってお酒を飲みながら食べるのに、豆腐と大根はうってつけでした。昆布と湯豆腐だけでもじゅうぶんなのだけれど、そこに大根を入れると、胃袋が「満ちたりた〜!」となりました。(当時、ザ・ルースターズというバンドの歌詞に影響されていたのだと思います)豆腐と大根ふたつの食感の楽しみと、そして何より甘さが増すような気がします。
ポン酢とカボスを絞っていただきました。おいしくて、生姜もネギも忘れていただきました。
では、いつも通りなんちゃってなので、分量や分数はありません。あしからず。
昆布の敷布団と、削ぎ切り大根の掛け布団という感じでしょうか。豆腐が両ばさみでふっくら甘く仕上がりました。大根も薄切りなのですぐに柔らかくなります。
キッチンのコンロでつくって食卓に出し、15分くらい経ってもまだまだ豆腐はホカホカでした。寒くなったら、是非とも卓上コンロで飲みながら調理する楽しみも。