近ごろ一度にいろいろな事柄が天から降ってきて、試練なのか恵みなのか。迷いながらしっかりと体全体で受けとめています。
緊急事態宣言前、過日、個展でお世話になったギャラリーにオーダー納品に走りました。去年の今時期に加え、今年もこの時期の展示中止を余儀なくされた友人もいます。作品は腐らぬものですが、モチベーションを当日までに調整し、材料や燃費など前投資しているので、それらの業で生きていく私たちにとって、この事態は大変苦難であります。
制作工程の関係でオーダー順に行き渡らないこと、ご承諾くださいませ。まずは4月分、第一弾のご納品です。ギャラリーから連絡がありますのでお待ちください。
納品のその足で、突然の緊急事態宣言で閉幕や縮小を余儀なくされたお店やイベントや展示に出向きご挨拶。自ら余裕なき小さきアーティスゆえに、せめてもの気持ちを表すことしかできませんが、こんな時こそ。
日本橋三越で開催されていた「イタリア展」も閉幕。お手伝いをなさっていた友人がいるブースへ。オリーブオイル、ピスタチオのペースト、ドライトマトのペーストなどを入手。まずは天日で干したドライトマトのエキスをペーストにした「エストラット・ポモドーロ」を使って、オムレツをいかにおいしく焼くかトライアルしています。Cocciorino(コッチョリーノ) の耐熱うつわで焼いて、玄米ごはんを添えてオムライス風に。(冒頭写真 参照)
高田馬場にある老舗茶屋「お茶のつたや」様は創業93年。この数年、土鍋をコレクションいただいています。今回は、一番大きな土鍋をご挨拶がてら納品に行ってまいりました。
さすが学生街。どこにも出かけられずこの町に暮らす若いかたたちが、老舗茶屋のカフェをやさしくのぞいてゆきます。「抹茶ラテだって、入ってみる?」などという声が聞こえます。男女問わず、静かな空間を楽しんでいる様子がほほえましく。いいぞいいぞ!と思いました。このお店の普段からのお人柄が、93年間、この町に浸透していたことがわかります。
「お茶のつたや」さまについては、わたしが今注目しているゼロウェイスト関連のお取り組みをされているので、別記事でご紹介しようと思っています。
お茶のつたや
http://www.cha-tsutaya.com/
人流は最低限に、食材にこだわるシェフだからこそ食業界をぐるぐるまわすのです。築地やこだわりの産地からの仕入れ、時間をかけた熟成食材、待てない命がたくさんある。
東京は緊急事態宣言発令です。思いっきり被ったけど、ドメニカ・ドーロは4/26(月)17:00より、新店舗でのグランドオープン致します。要請により17:00〜20:00の営業で「お酒の提供は無し」という事になります。でも逆に考えると「今こそ皆さんに食の幸せをお届けするレストランとしての真価が問われるのでは」と思ってます。なんと言っても「ウチは料理がメイン」なので。
長い休業と移転からのオープン。南青山ドメニカドーロ岩本光史シェフの上記コメントが胸を射抜きました。シェフは腕をめくり、ソムリエのパートナー真理子さんは苦笑いしながら、ノンアルコールワイン(トレンティーノ・アルト・アディジェ、フリウリ・ヴェネツイア・ジューリア、ヴェネト産のブドウ果汁)をご紹介くださいました。こういう時だからこそ自信と覚悟が問われる。時代は真の評価に変わってゆくと信じているし、信じるだけではいけない、自分も恩返しよう!
20:00に消灯された東京の空。満月に期待をこめた小望月に呼び止められました。東京の月も、こんなにきれいです。
ドメニカドーロ
https://www.domenicadoro.com/
写真は我が家に冷凍常備してあるドメニカドーロのパスタソース。土鍋で「イカスミパスタ」。