前回の個展でいただいた受注、オンライ受注、どちらも6月末日までにギャラリーにお納めいたしました。前回の個展「も」、3回目の緊急事態宣が明けるかどうかのタイミングで、開催が読めない状態だったため、オンラインでの受注を企画いたしました。正直なところ、個展で手一杯なところに仕事量が増え、降参も頭をよぎりましたが、遠方のお客様や、個展でお求めになれなかったお客様のもとに届き、喜びいっぱいのメッセージをいただく末に、ああ、働くということは、まさに「人が動く」ということで、その人には心もついてくるのだなあと実感しました。
そう、ということで、仕事のことのみならず、可能性のかたまりがゴロゴロしているわけで。旬のとうもろこしを眺めながらも、すばらしいと唸ったのですよ。
茹で、焼き、炊き込みごはんなど、とうもろこしの魅力は周知の通り。加えて、忘れてはならぬ、髪の毛みたいな髭みたいな、とうもろこしのあの部分。わしゃわしゃな、実を取り出すのにまとわりついて、んっもう!とかにもなる、あれ。あそこにこそ可能性が秘められている。
なんと「粒」ひとつひとつに、細い「とうもろこしの髭」のがいっぽんいっぽん繋がっているというのだから、生命ってすごい。粒ひとつ転がっても救いたくなるし、髭の一本にもお礼を言いたくなります。あのヤギの髭のように長いのは「雌しべ(めしべ)」で、茎がすくっと天に伸びるテッペンに「雄しべ(おしべ)」があって花が咲き、花粉が舞う。「雌しべ(めしべ)」がキャッチしたら、実まで行き着いて受粉するのです。
とうもろこしは「まるごとひとつ」と思えない。わたしたち人間も「気持ちをひとつ」と言いますが、自身としてはマクロのパワーを注視して耳をかたむけたくて。どうも流れに乗るような「かたまり」を意識的にも避けるタイプであるようです。だからこそ、「ひとつぶ」と「いっぽん」マクロな世界に生命を感じるのです。
「とうもろこしのひげ茶」
1. とうもろこしの髭を天日でカリカリになるくらいまで乾燥させる。
(炒る方法もあるが、甘い香りが凝縮するのは天日乾燥であるように思う)
2. 土瓶(ポトルコッチョリーノ)に湯を入れて一煮立ちする。
色はあまり出ませんが、ぷぅんと、とうもろこしの甘い味は、夏のお茶に最適です。一本と一粒の可能性の味がしますよ。