期間中、大勢のご来場ありがとうございました。
個展「道」の会場は、空っぽになって閉幕いたしました。
ここ数年、おかげさまで完売が続いたり、抽選制などの関係で、お会いできなかった方々とお話しすることが叶う機会でもありました。みなさんの温かい眼差し、握手したての温もりは栄養としてインプットされれました。たくさんの贈り物もいただき、お選びになったお気持ちを想像しながら、ありがたくいただきました。
心のなかもいい意味で空っぽになり、気持ち良いリセットとなりました。
もう一度、自分自身を驚かせることから始めよう!
22年前のイタリア帰国後、日本には敷かれた道はありませんでした。
縁故もなく、ただ作品をつくってお誘いを受けた展覧会に作品を出していたわけで、そこから少しずつ道ができていったのです。この22年間、作品をマネージメントしてくださったギャラリーオーナー、百貨店のキュレーターのおかげで私はこの道を歩いています。
作品の前に作家を育ててくれ、どのオーナーもまっすぐに厳しさを持って導いてくれました。仲間で傷を舐め合うのとは、ちょっと違いました。不振であれば温かいコートをかけてくれ、まずは震えを止めてくださいました。そして自分の欠点が自分で見えるまで時間をくださった。時には「任せなさい」「なんとかいたします」「いかようにもいたします」と、困難に立ちはだかってくださいました。
そんな瞬間に、作家は育ったのです。
ギャラリーのオーナーやキュレーターは、精神状態や健康までマネージメントしてくれました。作品の評価やアドバイスとはまた違った、精神状態のコントロール。あのお店のあれが美味しいし元気でますよとか、あのおせんべい買っておきました、お茶にしましょう、ビールでもいかがなどなど、とにかく展覧会中はもちろん前後も体力限界まで疲労困憊なので、ほろほろ涙が出そうなくらい嬉しかったです。
作家も制作だけの心配事のみならず、背景の生活にも色々あるわけで。そういうことも薄っすら認知しながらのマネージメントは最高にプロだなと尊敬しました。
会期中、土鍋コッチョリーノでタケノコ玄米ごはんを炊いてくださったことも、生き返るくらい嬉しかったです。もちろん土鍋コッチョリーノのごはん茶碗でいただきました。
わたしはこの道で育ち、作品を磨きました。
そのお礼を、みなさんにお返しすることがわたしの仕事だと思っています。
今回は、個展の無事終了のお知らせとなりましたが、今後もコッチョリーノ「道物語」、そして「道草日記」もつづっていけたらと思っています。ブログを読んでくださっている方が多いことも、個展のたびに驚いています。心より感謝申し上げると共に、またお会いできる日まで、ここでお会いしましょう。
コッチョリーノ
我妻珠美
追伸:告知です。
明日10:00土鍋コッチョリーノがIHで使える道具の受注予約が始まります。ご高齢者の生活、あるいは高層住宅における防火の関係で「炎が使えない=土鍋コッチョリーノが使えない」と嘆かれていた方々への朗報です。お楽しみに。