これまで何度も大阪と東京をオンライン会議でつないできました。出先のクルマのなかで会議をしたこともありました。毎回3人とも熱く語るので、使用していたiphoneが過熱で働くなくなったほど。
発売前と発売後の東大阪の工場訪問の様子は以下のリンクから。
コッチョリーノの工場見学レポ
1. 出張記録工場見学と土鍋実験
2. 工場見学と土鍋実験
3. 工場見学とマーク刻印
土鍋コッチョリーノがIHで使える!という驚き以外に、さらには安全性という社会性以外に、他にもいくつかあることが半年以上まいにちの実験を重ねることでわかってきたのです。
土鍋の蓄熱+部品のひとつである炭板(④下図参照)にも蓄熱されるため、2倍の力で余熱調理が可能。スイッチOFFにしても保温力抜群だし、じっくり温度を下げてゆくので、おでんや煮豆のおいしさにも驚きました。炭と土という自然の鉱物の力はすごい。
炊飯はON/OFFのみで至って簡単に仕上がることもわかったので、その方法をご予約いただいた方々に、IH炊飯レシピとしておつけいたします。
このコラボ実験は、お祭りのような楽しさであったなぁと振り返って思います。マスクが残念ですが、いつも打ち合わせでは時間が足りないほど3人の熱い笑みがこぼれまくっているのです。
左は株式会社オーシン代表取締役 藤田剛 氏、右が藤田 創 氏となべくつくん(鍋靴くん)。そしてまんなかコッチョリーノと我妻珠美。社長が自らオンライン会議を積極的に設定してくださり、デザイン的な視点でモノを考えてくださいました。息子さんである創さんの頭の回転と仕事の速さには爽快のようなものが。
株式会社オーシンさんは、前身が明治40年からご創業されるなど長い歴史ある企業。関西で飲食業に携わっているかたはご存知かもしれないワークシューズも有名(鍋と靴)なのです。工房でまいにち長靴を履いているので真剣に欲しいなと検討中。工場の倉庫にならぶ靴箱も圧巻なので興奮。
学生時代から歩いてきた陶という芸の道。この道がとても孤独であり、苦しいと自暴自棄に嘆いた時期もあったけれど。ふと冷静になると、まったく一人でないことに気づいたのです。たからこそ、ここまで続けてこられたのだと思います。
近いところばかり見ていないか。遠くで支えてくれていたり、見えないところで助けてくれている人が必ずいるはずです。今回、他業種であるオーシンさんと仕事をしていると、それを強く感じるのです。
作品という自身の分身は、作者が「つくる」(陶芸)ことばかり考えているだけでは、世界をひとりでは歩いていけなくて。「かんがえる」ことをたくさんして育ててあげなければ。
歩きやすい靴を考えてあげるような、やさしさやユーモアやセンスを添えることが必要なのです。
製品は、有田焼の黒い枠と、3つの部品から構成されています。
フリーハンドで部品の絵を描いてみました。IH調理器の上に①から⑤の順で置いてセッティング。収納時も我が家はセッティングしたままで、サイズ違いを入れ子にして重ねています。オーシンさんの動画もご覧ください。
▶︎オーシンさんのYouTube
この部屋や他の部屋にも、写真のような古めかしい機械があるのだけれど、オーシン独自の製品加工機械に改造し、仕上げていくのだと教えてくださいました。
写真左手の職人さんは、④炭板を仕上げています。丸くカットした炭板のバリ(英語のburr: ギザギザ、返り)をとったり、表面をふきとる作業。
写真右手の職人さんは、④炭板を切り出す(削り出す)作業。四角い炭板から美しい正円が削り出されており、惚れ惚れみてしまいました。
おふたりの職人さんにお会いするのは今日で2回目。機械が動いているときの集中した表情から優秀であることが判るし、一転して、説明してくださるソフトな物腰とやさしい笑みが印象的でした。他のスタッフのかたがたも、みなさん素人であるわたしにも気さくにわかりやすく説明してくださる。「これは何に使うのでしょうか?」クイズみたいに質問して教えてもらいたくなる部品や機械ばかりなのです。
こんなに鉄の塊に囲まれた職場なのに、みなさんとてもマイルド。やさしい空気が流れているな、だから発想ゆたかな製品ができるのだろうな。
さて、次回の工場レポは、IH調理器が並ぶ工場の部屋、そしてコッチョリーノマークの刻印の様子などについて書きますので、また読みにきていただけたらうれしいです。
お悩みや相談事があればお電話でも丁寧にご対応くださいます。
電話問い合わせをしてくださった友人が「とても丁寧に答えてくださいました!」「お電話してよいものか迷ったけれどよかった!」とご報告いただきました。ご両者に、深く感謝いたします。
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